技術Q&A

2015年6月12日

 技術Q&A 技術的な質問に技術委員がお答えいたします

 

 

Q. 組立鉄筋「Cタイプ」とはどのような組立鉄筋ですか?また,宜しければどのような製品があるかを教えて下さい。

A.「Cタイプ」の組立鉄筋は,鉄筋同士をスポット溶接して緊結する「Aタイプ」,「Bタイプ」とは異なり,図1に示すスポット溶接以外の方法で緊結する組立鉄筋を指します。また,「Cタイプ」の組立鉄筋は,第三者による評価を受けた組立鉄筋のことを意味します。さらに,「Cタイプ」の組立鉄筋を用いた基礎梁の許容せん断力の計算は,「Aタイプ」と同様の計算式により算出され,「Aタイプ」と同等に扱われます。以下に,「Cタイプ」の組立鉄筋について,(一社)日本建築センターの評定を取得した会社名およびホームページを示しておきます。

1)(有)西山鉄網製作所ホームページ http://www.nishiyama-tetuami.co.jp/

2)トーテツ産業(株)ホームページ http://tohtetsusangyo.co.jp/

3)メークス(株)ホームページ http://i-makes.com/

溶接組立鉄筋「Cタイプ」の例

Q.日本住宅基礎鉄筋工業会は、スポット溶接の鉄筋のようですが、アーク溶接での住宅基礎(評定書の提出は不可)は問題が無いのでしょうか?JIS規格の鉄筋の性能が変化してしまうため建築基準法違反との話も出ております。確認をしたいと思いますので、明確な判例などがありましたらお教え頂け ますでしょうか

1)これまでのスポット溶接は、溶接点近傍を急冷し、局部を焼き入れ状態に至らしめることより、局部的に材質が変わり、伸びの無い箇所が形成され、結果 として、脆弱な部分を形成させると解っています。このような理解は、知識ある建築技術者の間では常識的なことでしたので、鉄筋相互をスポット溶接により 接合することは避けるものと判断してきました。

2)1)のような、既往の技術知識の環境の中、スポット溶接に関して、新たな知恵を加えて構築した新技術により、溶接点近傍の変質に関する危惧を一掃す ることができることが示されました。新たに習得したこの技術の範囲であれば、材質や伸びの変化について、技術的に問題となるようなことはないと判断する 結果を得ています。

3)2)に示した、新しい知恵を取り込んだスポット溶接技術については、(一財)日本建築センターにおいて技術評価を受けています。

4)アーク溶接については、溶接熱による材質および伸びへの影響についての危惧があり、一般的なスポット溶接において危惧している技術的な問題の存在は 同じです。それに加えて、アーク溶接では、溶接個所近傍を断面欠損させてしまい易い技術という欠点が加わるので、日本建築センターで技術評価を得ている 新スポット溶接技術と同等に扱うことはできません。

Q.住宅における基礎の型式認定とはなんですか。

国土交通大臣が「建築材料」や「主要構造部、建築設備、その他の建築物の部分」の型式について、建築基準法に基づく関係法規等に適合するものであるという認定を行うことを「型式適合認定制度」といい、あらかじめ認定されれば建築物の確認申請においては構造計算が不要となります。
型式適合認定制度の対象としてはプレハブ住宅などが該当し、住宅メーカーがこの制度を利用しています。住宅メーカーが規格化する住宅には基礎が含まれており、本工業会が推奨するBCJ評定を取得した組立鉄筋を用いた基礎が選択できるようになっています。

Q.木造の建築物の「基礎」に関する建築基準法関連における規定を教えて下さい。

基本となる規定は次の三法ですから、しっかり理解しておきましょう。

    1. 建築基準法施行令38条
    2. 建築基準法施行令42条
    3. 建設省告示「平12建告第1347号」

解説は添付のPDF「木造の建築物の「基礎」に関する建築基準法関連における規定」をご覧ください

Q.告示「平12建告第1347号」において、鉄筋コンクリート造とする場合の「べた基礎」及び「布基礎」に配筋する仕様規定が示され、「主筋と補強筋とは緊結したものとする」とあります。この「緊結」とは、鉄筋工事において通常使用する結束線により結ぶ方法でよいでしょうか。

結束線により結ぶ方法は、主筋と補強筋との「緊結」にはあたりません。鉄筋コンクリート造としての構造性能を発揮させるためには、「緊結」方法は極めて重要です。結束線を用いて結ぶ方法は問題です。この「緊結」では、鉄筋コンクリート造において補強筋を配筋することで期待するせん断補強効果は期待できません。

詳細は「べた基礎」及び「布基礎」に配筋する仕様規定/緊結についてをご覧ください

Q.日本建築学会の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」では、補強鉄筋の末端に設けたフックにより主筋と緊結すると規定されています。当社は今まで異形鉄筋でしたので、フックを付けていませんでしたが問題はないでしょうか。注)「2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書」(平成19年8月:国土交通省住宅局建築指導課他)

立上り部分の補強筋(「せん断補強筋」に相当する)は、立上り部分の主筋(「引張鉄筋」および「圧縮鉄筋」に相当する)にフックを付けて「緊結」します。フックを付けないで、主筋と立上り部分部補強筋とを結束線で止めるだけでは「緊結」とは言いません。立上り部分の補強筋と主筋とは、その接合位置で180°のフックにて緊結しなければなりません。フックですと基礎幅寸法等により、補強鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さが不足する懸念が生じます。最近では、フックの代わりに立上り部分の補強筋と主筋とを「特殊スポット溶接」により「緊結」した鉄筋部材を用いて、基礎を組み立ててゆく組立鉄筋工法が普及してきました。この特殊スポット溶接については、(財)日本建築センターにおいて評定されています。

[明確にしておくべき事項]

    1. 結束線による接合は、「結束」です。「緊結」ではありません。
    2. 180°フックによる接合は、「緊結」です。
    3. 性能保証型スポット溶接による接合は、「緊結」です。

緊結図説

Q.なぜ液状化が起きるのでしょうか

1.任意の深さに飽和した(地下水で満たされた)砂層があります→図―1
この時の釣り合いは外力(地中内の土圧)に対して、土粒子同士の接触応力(有効応力)と飽和した水の水圧→間隙水圧が釣り合って、静止しています

2.液状化層に地震力(繰り返しせん断応力)が加わると、土粒子同士の接触応力である有効応力が減少し、間隙水圧を増大させます。この時、土粒子はお互い離れ離れになり間隙水中を浮遊するようになります。また、間隙水圧が上昇しますが(過剰間隙水圧)、過剰間隙水圧はすぐには散逸しないため、最後には土粒子自重より水圧が大きくなっていきます。この時過剰間隙水圧が浮力として働き、土粒子を地表面へと押し上げます。 →図―2

3.過剰間隙水圧により、上昇した土粒子が噴砂現象として、地上に噴出します。この時、地中内にあるマンホール、排水管、水道管、ガス管などを地上に押しあげてしまう被害が生じます。また、液状化層は地震動により、浮遊状態となりますが、地震が収束すると、初期の緩い状態から、より密実な状態に移行します。この時、体積収縮が起こり、その分地表面の沈下が発生します。この現象が地上の建物、工作物などが不同沈下する原因となります。
この現象は、紙コップに砂をいれ、紙コップに振動を与えると砂の地表面が下がる現象と同じです。→図―3

Q.日本住宅基礎鉄筋工業会が推奨する「布基礎」および「べた基礎」の仕様は,フラット35に対応した仕様となっていますか?また,フラット35対応の「布基礎」および「べた基礎」の詳細が記載されている書籍を教えて下さい。

本工業会((一社)日本住宅基礎鉄筋工業会(JHR))が推奨する「布基礎(下記,参考書籍1)を参照のこと)」は,フラット35およびフラット35Sに対応した仕様となっております。
また,本工業会が推奨する「べた基礎(下記,参考書籍2)を参照のこと)」は,「軽い住宅」と「重い住宅」の2種類の荷重条件下で,耐力壁線区画4m×6m,スラブ厚さ150mmの4辺ピン支持または4辺固定として構造計算を行い,スラブ配筋を決定しています。そのため,上記条件の範囲内であれば,本工業会が推奨するべた基礎は,布基礎と同様にフラット35およびフラット35Sに対応した仕様となっております。しかしながら,上記条件を超えた場合には,あらたに構造計算を行い断面,配筋等を決定する必要があります。
表1,表2に本工業会が推奨する「布基礎」,「べた基礎」とフラット35対応の「布基礎」,「べた基礎」の比較を示しておきます。なお,フラット35およびフラット35Sに対応した「布基礎」および「べた基礎」の詳細は,以下の参考書籍3)に示されていますので参考にして下さい。

<参考書籍>
1)日本住宅基礎鉄筋工業会:推奨基礎仕様マニュアル2012年版(布基礎編),エルエルアイ出版,2012.11
2)日本住宅基礎鉄筋工業会:推奨基礎仕様マニュアル2010年版,エルエルアイ出版,2010.7
3)住宅金融支援機構:【フラット35対応】木造住宅工事仕様書 平成24年版,井上書院,2012.10

表1、表2



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