特集インタビュー『225°フック型STP工法』開発について/メークス株式会社

2012年6月01日

昨年、メークス株式会社が『225°フック型STP工法』を開発し、
日本建築センターのコンクリート系住宅構造評定委員会による評定を取得しました。
この工法は、住宅基礎用溶接鉄筋において初めての複配筋の評定取得製品とのこと。

今回JHRは、茨城県常総市にあるメークス株式会社の工場を訪れ、
『225°フック型STP工法』の開発についてお話を伺いました。

メークス株式会社工場

メークス株式会社作業中

メークス株式会社機械

――― まず、『225°フック型工法』の特徴、メリットをお聞かせください。

『225°フック型工法』とは、鉄筋を225°に加工して主筋をそのフック部分に固定する工法です。
主筋と補強筋との摩擦によってそれらを固定するため、交差部では溶接を行わないことが最大の特徴です。
また、梁の主筋下端は「溶接」「専用クリップ」での取り付けが可能であり、
かつ従来の結束での取り付けも問題ないとされています。
使用する箇所によって主筋の取り付け方法が選べることもこの工法の特徴です。 

 メリットとしては、これは工場で直接主筋に配筋されるものなので、
現場での配筋を行う必要がないことがあげられます。
あとは製造コストにおけるものも大きいですね。
製作そのものに高度な技術を必要としないため、加工賃に占める技術料が削減できますし、
主筋を溶接しない工法なので、溶接にかかる大きな電力量を削減できます。
製品検査にかかる費用も溶接に関する部分が大きく、そこでもコストの削減が可能となっています。

225°フック

――― 開発にはどのような点に苦労されましたか。
また製品化までにどのような実験をされてきたのでしょうか。

まずは225°フックの製作ですね。フックには90°、135°、180°の3種類しかなく、
鉄筋を225°まで曲げることができる機械がありませんでした。
そこで油圧プレスの様な機械をつくり、180°まで曲げた鉄筋をさらに225°まで曲げてみたのですが、
形が安定しないなどの問題が発生し、まずは機械の開発から行う必要が出てきました。
この曲げ機の開発と同時に、鉄筋の曲げRを内径3dに設定すると
ヒビ割れなどの問題が発生しないこともわかりました。

225°フック製作

225°フック製作

225°フック製作

次に製品の寸法精度ですが、これについてはアバラ筋の径と主筋の組み合わせ毎に実験をし、
ほぼ決まってきました。ただ今後テスト機の巾を広げた際に、
大きな寸法でも誤差が出ないか確認する必要はありますね。

また主筋位置のずれによる構造計算上の問題や、
225°フックによる継手が空重ね継手になるという問題もありました。
これらは実大実験の結果では影響は出ませんでしたが、
今後梁の大きさをより実大に近い大きさ(H=700位)にして実験をし、結果を見たいと思っています。

――― 『225°フック型STP工法』の今後の課題とは。

  今回の評定範囲は住宅基礎用に限定されているので、
今後RC造やSRC造でも使用できるように開発を続けているのですが、
特にRCの建物で基礎部以外に225°フックを使えるようにするために、
以下のような課題が見えてきました。

 まず、この工法を複配筋に応用できないかということです。
現在複配筋には、段取り鉄筋ユニット工法(BCJ-LC0053-1)が認定されています。
これをそのまま225°フックに置き換えることは可能なのですが、
それだけでは新規性がなく、「機械式継手を使用できないか(ネジ式、グラウト剤系、圧着式等)」
「高強度鉄筋(SD490以上)に使えないか」などの課題と絡めて使用範囲を広げられるようにしたいと思っています。

 機械式継手については、主筋にどのような鉄筋を使用するかによって色々選択肢があります。
ネジ鉄筋を使用することも考えられますが、通常は鉄筋を使用されることも考慮し、
現在市販されている建築センター評定品の継手であればどれでも使えるようにする予定です。

 また複配筋にしたときに、キャップタイの形状を簡易化できないかという課題があります。
これについては、キャップタイのフック角度を135°から90°にできるかどうか
今年中の実験を計画しています。
梁巾の狭い住宅用基礎では135°フックがぶつかり、上端主筋に被せられないケースがありましたが、
これを90°にすることで現場での施工は大幅に楽になると思います。
 
 さらに下端の鉄筋の固定について、結束線に代わるプラスチックのクリップによる固定方法を考案し、
今回評定していただきましたが、現在も引き続き鉄筋径の組み合わせや仕上がり精度等の向上を目指し、
大和ハウスさんと共同で実験および開発を続けています。
 
 その他、RC基準との整合性を考えた接合部の形状の検討、
225°フックの付着や定着性能を考えたアンカーボルトの企画に加え、
製作のスピードアップについても検証しています。

――― 最後に、貴社の今後の目標をお聞かせください。

『225°フック型STP工法』 は、私たちが数種類の特許開発を行い、
5年の歳月をかけて開発した工法で、社員一同が製品に自信を持っています。
今後はプレハブメーカーの基礎を中心に営業を展開していく予定ですが、
同時に本工法の全国普及を目指し、協力工場や特約店の募集も行っていきたいと思います。
3年後にはこの工法にかかわる製品1,000t/月の出荷販売を目指したいですね。 



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