前年に比べ持家全国で1割以上減少昨年1月~12月の新築住宅85万9000戸
令和4 年の新設住宅着工戸数
1月末に発表された令和4年(1月~12月)の新設住宅着工によると、持家が令和3年に比べ1割以上の大幅な減少となったが、貸家と分譲住宅は逆に大幅な増加となった。このため全体の新設住宅着工数は、昨年に比べわずかに増加となった。持家では、依然としてコロナ感染拡大が続いたことや一昨年来のウッドショックによる木材価格の高騰、高止まりに加え、ウクライナ戦争の影響で資材価格、エネルギー価格が大幅に上昇し、建築コストがアップした事などで、持家の中心である注文住宅等での建築費が増大するなどして大幅な着工減となったようだ。
貸家では大都市圏を中心に増加。首都圏、近畿圏では昨年に比べ10%近い増加となった。これはコロナ禍で抑えられていた転勤その他の転居需要が動き出したとみられる。また分譲住宅の増加は、建設費高騰で持家が大幅に減少する中、性能・デザイン等でコストパフォーマンスが消費者に受けた感じである。
令和4年の新設住宅着工の概要はつぎのとおりである。
1.総戸数
令和4年の新設住宅着工戸数は、859,529戸。前年比0.4%増となり、2年連続の増加。新設住宅着工床面積は69,010千㎡,前年比2.3%減で昨年の増加から再びの減少となった。
2.利用関係別戸数(持家、貸家、分譲住宅)
①持家は、253,287戸(前年比11.3%減)で昨年の増加から再びの減少。
②貸家は、345,080戸(前年比7.4%増)で2年連続の増加。
③分譲住宅は、255,487戸(前年比4.7%増)で2年連続の増加。マンションは、108,198戸(同6.8%増)で3年ぶりの増加。一戸建住宅は、145,992戸(同3.5%増)2年連続の増加。
3.地域別戸数(首都圏、中部圏、近畿圏、その他地域)
・首都圏総戸数(前年比2.8%増)
持家(同10.9%減)、貸家(同8.9%増)、分譲住宅(同4.3%増)。分譲住宅のうちマンション(同4.8%増)、一戸建住宅(同4.2%増)
・中部圏総戸数(前年比 1.9%減)
持家(同10.5%減)、貸家(同4.1%増)、分譲住宅(同 4.6%増)。分譲住宅のうちマンション(同5.3%増)、一戸建住宅(同4.3%増)
・近畿圏総戸数(前年比1.4%増)
持家(同11.4%減)、貸家(同9.0%増)、分譲住宅(同2.1%増)。分譲住宅のうちマンション(同10.0%増)、一戸建住宅(同5.0%減)
・その他地域総戸数(前年比1.6%減)
持家(同11.7%減)、貸家(同5.9%増)、分譲住宅(同7.2%増)。分譲住宅のうちマンション(同9.0%増)、一戸建住宅(同 6.4%増)
4.その他(建築工法別)
建築工法別では、プレハブが112,528戸(前年比0.8%減)で昨年の増加から再びの減少となった。ツーバイフォーは、91,233戸(前年比5.0%減)で昨年の増加から再びの減少。