2023年(1~12月)の住宅着工81万9623戸4.6%減
持家は全都道府県の7割が10%以上の大幅マイナス

このほど、令和5年(1月~12月)の新設住宅着工数が発表された。それによると総戸数は 819,623戸で前年比4.6%減となり3年ぶりの減少となった。床面積も 6417万8000㎡で前年比7.0%減で2年連続の減少となった。1戸当たりすると2㎡小さくなった計算で、資材価格高騰などで住宅価格の大幅な上昇、平屋やスモールハウスにニーズ増えるなどで、着工数も床面積も年々減少傾向が見られる。

持家や貸家などの利用関係別での着工戸数を見てみると、持家は22万4352戸(前年比11.4%減)で2年連続で二桁の大幅な減少となった。都道府県別でみてもすべてが減少しており、その7割近くがマイナス10%以上となった。最も大きく減少したの岡山県の21.2%、和歌山県の21.0%であった。また東京都もマイナス13.1%であった。市場の少子高齢化の進展、価格高騰や若年の一次取得層がリフォーム・リノベーション指向等で、長期的な持家市場の減少が始まっている感じだ
 
貸家は、これまで全国的に住宅需要のけん引役として堅調であったが、3年ぶりにわずかながら減少に転じ、対前年比0.3%減の34万3894戸となった。また分譲住宅も貸家と同様住宅需要を引っ張ってきたが、こちらも3年ぶりの減少となり、対前年比3.6%減の24万6299戸となった。そのなかのマンションでは0.3%減の10万7879戸で昨年の増加から再びの減少となった。一戸建住宅は、やはり価格高騰などの影響で、6.0%減の13万7286戸となり3年ぶりの減少となった。
 
地域別で見てみると、首都圏では持家が(13.6%減)、貸家(0.2%減)が減少したが、分譲住宅ではマンション(0.7%増)、一戸建住宅(0.0%)と前年並みとなった。中部圏では持家(10.1%減)、貸家(2.6%減)、分譲住宅(8.1%減)と軒並み減少した。ただマンションのみ4.3%増となった。近畿圏では持家(10.0%減)、貸家(1.3%減)、分譲住宅(0.6%減)とこちらも軒並み減少となった。マンションは3.2%増だった。工法別ではプレハブが10万3403戸(8.1%減)、ツーバイフォーが90万792戸(0.5%減)となりどちらも2年連続で減少した。