平成29年度定時総会 講演会「住宅市場の今とこれから」講師:伊藤明子氏

一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会は6月9日に開催された定時総会で、国土交通省大臣官房審議官 伊藤明子氏に特別講演をおこなっていただきました。

伊藤明子氏の講演

講演は、「住宅市場の今とこれから」がテーマ。平成28年度の住宅市場は97.8万個と比較的堅調だったが、今後はどのように推移するかまた、それをとりまく環境がどのようになっていくかについて展開されました。

データによると今後、住宅のマーケットは間違いなく縮小してくと考えられ、建設業界は厳しい状況が予測されます。また、日本の労働人口は女性の社会進出と高齢労働者のおかげで増えてはいるが、これらの多くがフルタイムでの勤務体制ではないため総労働時間数は減っています。
その中で、離職率の高さと、高齢化がすすむ住宅市場の職人不足は深刻な問題ですが、上物の業界では熟練の職人を必要としないプレカット工法が9割に達し人手不足を補うことに成功しています。

基礎に関しても人手不足を補うシステムが今後必須となり、日本住宅基礎鉄筋工業界にその役割を担ってもらいたい。姉歯問題以来、テレビワイドショーにもたびたび取り上げられるようになった住宅の安全。厳しい品質を求める時代だからこそしっかりとした品質で施工するものには追い風となると考えられます。

そのような状況を踏まえ、「基礎に関して日本住宅基礎鉄筋工業会の今後に期待をしている。」と、激励のお言葉をいただきました。

ご紹介

1962年生まれ。1984年京都大学工学部建築学科卒、同年建設省入省
住宅局、都市局、宝塚市役所、内閣官房都市再生本部事務局等を経て
2010年国土交通省住宅局住宅総合整備課長
2012年住宅局住宅生産課長
2014年内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長
兼内閣府地方創生推進室次長
2016年6月より現職