ユニット基礎鉄筋の原材料である異形棒鋼の価格がコロナ禍やウクライナ戦争の影響でこの2年ほど価格が高騰してきた。日刊鉄鋼新聞のデータによると、東京地区の異形棒鋼の市場価格はコロナ禍以前はトン当たり6万円台で推移していたが、昨年1月から8万円を超え、今年1月以降は10万円を突破し、4月には過去最高値を更新12万円台となった。
そのため、日本住宅基礎鉄筋工業会の総務委員会でも、こうした原材料価格の動向について情報交換をおこなってきた。5月に行われた総務委員会では、賛助会員の阪和興業より「スクラップの国際相場では米国のトルコ向けが5月末$465となり3月のピーク時より30%の下落した。国内と国際相場の差が生じているが底値が見えてきた。スクラップは下げ止まり。鉄筋は横ばい」との見方が示されていた。
国内の住宅建築は持家が減少傾向だが都市部の貸家・分譲住宅は堅調であり工業会会員企業も忙しい状況である。こうした状況の中で最近の異形棒鋼の市況価格をみると、ここ数カ月12万円台で横ばい状態だったものが、9月に入り12万円を下回る価格となっている。ただコロナが終息に向かい需要が一段と増大することも見込まれるので、市況の一方的な動きには注意が必要だろう。
ここに掲載した表は東京地区の異形棒鋼(SD295、直送)の月末・市場価格。併せて同じく東京地区の鉄スクラップ・特級(H2)の月末・市場価格を掲載した。
(グラフの出典:日刊鉄鋼新聞)