工場の生産体制はどうですか。今どきは何処も採用では苦労されていると思いますが。

青山 人がやっぱり集まらないですね。働き方改革ということもありますので、工場では生産が間に合わないと言っているのですが、なるべく定時に終わらせるような目標の下でやっています。そういう意味では生産性がやはり上がってこないですね。労働基準監督署からも指摘があるのでそうせざるを得ないですね。
 私なんかは、その時々で臨機応変にやればいいんじゃないか、という思いもありますが、そんなことをしたら今は人を確保できませんね。ですから工場には時間当たり生産性を上げていこうと言っています。しかしうちの生産性向上に関しては、まだまだアナログ的です。作業数に対する時間の管理をやっていて、一つ一つチェックして時間短縮を進めています。機械でやった方が早いかもしれませんが、機械の止まっている時間を考えるとアナログのやり方がいいかなと私は思っています。本来、機械はデジタルで管理はできているのですが、まだまだアナログ的な管理も必要だと思います。うちのラインが止まる原因を考えると、逆にそのほうが復帰が早いですね。

6年前に新設した本社工場

工場の生産性を上げるためには製品の規格化、パターン化がますます必要だと思いますが。

青山 同じような現場でも当然個々の違いはあります。なるべく個々の変更は受け付けないようにしているのですが、やはり「どうしてもここだけは」とか「こっちだけは」というのが出てきてしまいます。一現場に一つぐらいはオリジナルなものが入ってしまう。工場には一律に加工しようとは言っているのですが、なかなか出来ていないですね。ハウスメーカーさんのそういう仕事をやる時は、ちゃんと指示をいただければやりますよとは言うのですが、現場レベルでは「ここをこうしてくれよ」とか話を聞いてしまう。そういうような作業上の問題はあります。
 そういうところでサービス力は出したくないのですが、それをやる基礎屋さんによっても違いますからね。ハウスメーカーさんも「基礎屋さんの言う通りやってよ」と言われる。こちらは「そこは違うでしょう。基礎屋さんに言ってください」とハウスメーカーさんに問合せするのですが、結局基礎屋さんに聞いてくださいと言われてしまいますね。

工場が一生懸命頑張っても、ユーザーの基礎屋さんがなかなか変わらない。その辺の統一できる指標が欲しいですね。

青山 そういう意味では、我々のところで標準的なプランを作って、こういう風に作るんですよと、統一化を図っていかないとなかなか難しいですね。それにに慣れていただければ標準化についても、例えば工業会の「推奨基礎仕様マニュアル」に沿ってやれるようになると思います。
 またそれだけではなく、当然モノを運ぶこともあります。特に我々が一番困っているのは、配達時間や場所の指定があり、なかなか一律にはいかないという問題です。道路付けによっても違いますし、現場の状況も違うし、それこそ50メートルを人力で担いで持っていくこともありますね。
 また基礎屋さんも人手不足で工事をしてほしいという要望もあるのですが、うちでは逆に基礎屋へ仕事を紹介しています。うちでやれないことはないと思いますが、そこはお客さんにやってもらっている。うちのお客さんは中小のビルダーをメインにしているところが多いので、仕事が空いてしまう事もあります。そういう意味では仕事を紹介する意味はあります。また仕事を紹介していれば、結局うちに注文が来ることにもなります。人手不足の時代ですが、お客さん同士仕事を紹介すれば何とかできます。その時、我々メーカーとしては統一ルールで仕事ができれば更に良いと思います。

1 2 3